読書ときどき神社巡り

寺社仏閣巡りと読書の備忘録

今日の課題図書:Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス

【Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス】著:石持浅海

 前作「Rのつく月には気をつけよう」の続編。前作は文庫になってから存在を知ったので文庫で読んでいたのですが、今回は単行本で出たところをゲット。

 内容としては、安楽椅子探偵ものの短編集といったところ。

 大学時代からの飲み仲間3人が美味しいお酒とご飯を楽しみつつ、ゲストが持ち込む謎を肴に盛り上がる…というのが1作目。今作は、飲み会メンバーは固定で、世間話の中から謎が出てくるという展開になっています。

 

 

 私は石持浅海さんのファンなので、新作が出るたびに嬉々として購入しているわけですが、hontoからお気に入り著者の新刊案内で「Rのつく月には気をつけよう」が来た時には思わず二度見してしまいました。だって1作目が出たのってだいぶ前ですし…いつだろう。とりあえず文庫の初版発行は平成22年です。

 とにかく、続編が出るとは全く思っていなかったのでとても驚きましたが、それ以上に嬉しかったです。私は石持さんの安楽椅子探偵ものの短編集が好きなので。

 

 さて、主な登場人物の説明をしたいところなのですが、1作目のネタバレをせずに紹介するのはちょっと難しいような。問題ない範囲だと、大学時代からの飲み仲間3人は長江さん、熊井さん、夏美さん。そこに夏美さんの旦那さんである健太さんが加わって、今作では彼らのお子さんも登場します。

 長江さんがしばらく海外赴任をしていたから飲み会も途切れていたわけですが、長江さんの帰国をきっかけとして、今度は子供連れで宅飲みが再開します。

 子供がいるからか、謎のネタが子育て関係だったりするのが私にとっては新鮮で面白かったです。そして相変わらずお酒とおつまみが美味しそう…。

 最終話はまあこういう展開だろうなと思った通りではありましたが、もやっとすることもなく気分良く読み終えることができました。

 

 

おまけ

石持さんの布教活動でもしようかな。

・座間味くんシリーズ

 「月の扉」という作品で登場した座間味くんという男性が、その事件で知り合った刑事のおじさんと再会。飲み食いしながら刑事さんが愚痴として語った話の中から謎を解いていくという安楽椅子探偵もの。

 今のところ、「心臓と左手」「玩具店の英雄」「パレードの明暗」の3冊が出ています。でも座間味くんの初登場は「月の扉」だからこれから読むのをお勧めします。

 

・八月の魔法使い

 魔法使いとタイトルにありますが、舞台はお盆でちょっとのんびりした空気の会社です。主人公は経営管理部員の男性。お盆に開催される役員会議で提示された存在しないはずの文書の謎に、その場にいない主人公が少ない情報だけで挑んでいくという内容。

 社会常識ではなくて、会社の掟が話の要になっているのが面白かったです。