今日の課題図書:シャーロック・ホームズの冒険
【シャーロック・ホームズの冒険】著:アーサー・コナン・ドイル 訳:日暮雅通
推理小説や探偵小説、ミステリーと言われた時に名前が上がらないことはまずないのではないかというくらい有名すぎますが、シャーロック・ホームズです。現代の推理小説や探偵物でもおなじみな、探偵としては一流だけど人間性に若干問題があるというホームズを主人公に据えて、その助手であるワトスンの視点から描かれています。
このホームズのシリーズは基本的には短編が多くて、今回ご紹介している【シャーロック・ホームズの冒険】も短編集になります。
収録されている話で有名なものをあげると、
アイリーン・アドラーが出てくる話。
・赤毛組合
赤毛のおじさんが「赤毛組合」というわけわからん組合員になって、楽してお金をもらっていたのに、突然組合が解散してしまい、これはどういうことなんだとホームズのところに相談にくる話。
・まだらの紐
姉が婚約後に不審な死を遂げ、自身も婚約したら死ぬ前に姉が言っていたような怪しい出来事が起こり始めて不安になった女性が相談しにくる話。
あたりでしょうか。
有名と言えるのかわかりませんが、私が好きなのは「ぶな屋敷」です。
ありえないくらい高額の給金だが、この服を着てここに座って、だとか髪を切って、だとかおかしな条件をつけられた家庭教師の女性が、はたしてここに勤めても大丈夫だろうかと相談しにくる話。
この家庭教師の女性がなかなか賢くて勇気もあって、私は割と好きです。
ちなみに光文社文庫から発行されているこのシリーズではこの【シャーロック・ホームズの冒険】が1冊目ですが、お話としては【緋色の研究】がいわゆる第1話です。ホームズとワトスンの出会いの話になります。
とはいえ、別に1話目から読む必要はないと思います。
緋色の研究の時は、ワトスンがホームズを評価していたり、こいつ何やってんだ的な感想もチラチラ垣間みえるので、どちらかというと私は緋色の研究は二人が親しくなった後のお話である短編集を読んだ後のほうが楽しめるのではないかと思っています。
ホームズのシリーズは今回ご紹介しているような短編集もありますし、私が小学生の時に読んだのは青い鳥文庫のシリーズでした。
古典作品としてはとても有名なのでいろいろな出版社で出ていますし、いろいろな方が翻訳されているので、読み比べてみて出版社・翻訳者による違いを楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。
おまけ
外国ミステリーで古典作品、かつ私の好きな本としては以下の2冊です。
・黄色い部屋の謎 ガストン・ルルー
ガストン・ルルーといえばオペラ座の怪人が有名ですが、密室ものの傑作と言われているのが黄色い部屋の謎です。
内部から完全に密閉された黄色い部屋から響く悲鳴に、ドアを壊して入った一同が目にしたのは血の海の中に倒れた被害者の女性だけ…という、これぞ密室!なお話です。良い。
新聞に出ていた求縁広告が全ての始まり。莫大な資産を持つおじさん(おじいさんだったかも)の妻となったヒルデガルデだったが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていて…。
最初はうまいこと話が進んでいきますが、後半で一気に追い込まれていく感じがすごく好き。スマートな悪役が最高。一番好きな本かも。